偽島の呼び声?
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ラヴィニアの手記。
『グ・ハーン断章』
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『グ・ハーン断章』。
それがいかなるものか少し話しておこう。
探検家として知られたウィンドロップ。
彼は1934年、北アフリカをから奇妙な文字が書かれた粘土板を持ち帰り、これを公表した。
世間やマスコミはこれを彼の捏造と判断、徹底的に彼を叩くこととなった。
哀れなウィンドロップは追い詰められ、狂死した。
だが、この粘土板の真実を見抜くことができる者も存在した。
探検家、研究家として名高いサー・アメリー=ウェンディ=スミス氏もその一人だった。
彼はこの研究を引き継ぎ、その翻訳と研究の成果を1000部ほどであるが自費出版で書籍を発表する。
それこそが『グ・ハーン断章』である。
グ・ハーン断章は地下都市グ・ハーンをはじめ地球上の古代遺跡の位置やその概要、かつては太陽のすぐ外側を周回していたという惑星サイオフやユゴス(冥王星)、ヒヤデス星団についての知識とその地に関する警告が書かれている。
そもそも粘土板は誰が書いたのか。
それは人間が出現する以前、地球上に君臨していた知的生命であるオールド・ワン(古きもの)によるものだと考えられている。
スミス氏は探検隊を組んでエチオピアに赴き、地下都市グ・ハーンを発見したと言われているが、探検隊は行方不明となり、スミス氏ただ一人が見つかった時には発狂していたというから、そのことについては大いに疑問をもたれた。
後、彼は再び姿を消し、二度と見つかることはなかった。
余談だが、作家であった彼の甥・ポールも後に姿を消す。
私はこの本の存在を知り、是非とも手に入れたいと思った。
1000部が存在する本ともなれば、最早片手で数えられるほどしか存在しないと言われる『水神クタアト』や『無名祭祀書』などの稀観書に比べれば容易に獲得できると考えていたのだが、そうそう甘いものではなかった。
その真の価値を知る魔道士の類の者はもちろん、好事家などはなかなか手放そうとしない。
とある欲深い老コレクターに交渉を持ちかけたが、随分とふっかけられた。
その時のことはもう、思い出したくもない。
苦労の末、私はこの書を手に入れることに成功した。
もっとも、前述の『無名祭祀書』や『ドール賛歌』、『断罪の書』の時に比べればまだマシな方であったかもしれない。
この書が欲しかった理由。
それは地下都市グ・ハーンに関する記述があるからである。
一部の魔道士や研究家(こういった方面の研究家は概ね奇人変人、果ては狂人のレッテルを貼られるのだが)の間では、グ・ハーンには遙か古の時代にこの周辺に君臨していた種族とその長が目覚め、その活動を再開しているという噂が流れていたからだ。
事実は定かではないが、アーカムのとある組織がその種族と交戦し、甚大な被害を受けたという話も耳にしていた。
その種族とは『クトーニアン』と呼ばれる異形の種族である。
私は実物を見たことはなかったが、書物によれば『巨大な長き体躯を持ち、手足は無く、目も鼻も耳もない。巨大な口からは無数の触手が蠢き、生贄を捕らえ、その生き血を啜る』とある。
彼らは1000年以上の寿命を持つが、その長は死を超え、種族を超越した能力を身につけたという。
人が邪神と呼ぶ、神にも等しい存在『グレート・オールド・ワン』に数えられる(もっとも、他の邪神に比べ格は劣ると考えられているが)クトーニアンの長老。
旧支配者『シュド=メル』。
眠り続ける邪神たちの中にあって、既に目覚めを迎えているという彼に会うことが私の目的だった。
そして、それが私の真の目的に到達するための第一歩となる、と私は考えていたのだ。
その噂が真実かどうか確かめるため、まずは知り合いに会うべくブリチェスターの近くにある町、ゴーツウッドに赴いた。
『グ・ハーン断章』。
それがいかなるものか少し話しておこう。
探検家として知られたウィンドロップ。
彼は1934年、北アフリカをから奇妙な文字が書かれた粘土板を持ち帰り、これを公表した。
世間やマスコミはこれを彼の捏造と判断、徹底的に彼を叩くこととなった。
哀れなウィンドロップは追い詰められ、狂死した。
だが、この粘土板の真実を見抜くことができる者も存在した。
探検家、研究家として名高いサー・アメリー=ウェンディ=スミス氏もその一人だった。
彼はこの研究を引き継ぎ、その翻訳と研究の成果を1000部ほどであるが自費出版で書籍を発表する。
それこそが『グ・ハーン断章』である。
グ・ハーン断章は地下都市グ・ハーンをはじめ地球上の古代遺跡の位置やその概要、かつては太陽のすぐ外側を周回していたという惑星サイオフやユゴス(冥王星)、ヒヤデス星団についての知識とその地に関する警告が書かれている。
そもそも粘土板は誰が書いたのか。
それは人間が出現する以前、地球上に君臨していた知的生命であるオールド・ワン(古きもの)によるものだと考えられている。
スミス氏は探検隊を組んでエチオピアに赴き、地下都市グ・ハーンを発見したと言われているが、探検隊は行方不明となり、スミス氏ただ一人が見つかった時には発狂していたというから、そのことについては大いに疑問をもたれた。
後、彼は再び姿を消し、二度と見つかることはなかった。
余談だが、作家であった彼の甥・ポールも後に姿を消す。
私はこの本の存在を知り、是非とも手に入れたいと思った。
1000部が存在する本ともなれば、最早片手で数えられるほどしか存在しないと言われる『水神クタアト』や『無名祭祀書』などの稀観書に比べれば容易に獲得できると考えていたのだが、そうそう甘いものではなかった。
その真の価値を知る魔道士の類の者はもちろん、好事家などはなかなか手放そうとしない。
とある欲深い老コレクターに交渉を持ちかけたが、随分とふっかけられた。
その時のことはもう、思い出したくもない。
苦労の末、私はこの書を手に入れることに成功した。
もっとも、前述の『無名祭祀書』や『ドール賛歌』、『断罪の書』の時に比べればまだマシな方であったかもしれない。
この書が欲しかった理由。
それは地下都市グ・ハーンに関する記述があるからである。
一部の魔道士や研究家(こういった方面の研究家は概ね奇人変人、果ては狂人のレッテルを貼られるのだが)の間では、グ・ハーンには遙か古の時代にこの周辺に君臨していた種族とその長が目覚め、その活動を再開しているという噂が流れていたからだ。
事実は定かではないが、アーカムのとある組織がその種族と交戦し、甚大な被害を受けたという話も耳にしていた。
その種族とは『クトーニアン』と呼ばれる異形の種族である。
私は実物を見たことはなかったが、書物によれば『巨大な長き体躯を持ち、手足は無く、目も鼻も耳もない。巨大な口からは無数の触手が蠢き、生贄を捕らえ、その生き血を啜る』とある。
彼らは1000年以上の寿命を持つが、その長は死を超え、種族を超越した能力を身につけたという。
人が邪神と呼ぶ、神にも等しい存在『グレート・オールド・ワン』に数えられる(もっとも、他の邪神に比べ格は劣ると考えられているが)クトーニアンの長老。
旧支配者『シュド=メル』。
眠り続ける邪神たちの中にあって、既に目覚めを迎えているという彼に会うことが私の目的だった。
そして、それが私の真の目的に到達するための第一歩となる、と私は考えていたのだ。
その噂が真実かどうか確かめるため、まずは知り合いに会うべくブリチェスターの近くにある町、ゴーツウッドに赴いた。
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